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#私の介護

竹口耕輔

理学療法士

Kousuke Takeguchi
Physical Therapist

竹口耕輔

介護とは、たくさんの知識と技術を
分かりやすく駆使して人を支えること。

子どもの頃に憧れていた医者ではなく、同じように人の身体の仕組みが学べる理学療法の道へ。病院やスポーツの現場など幅広い働き先の中から、竹口さんは高齢者のリハビリが主となるデイサービスを選んだ。「おじいちゃん、おばあちゃん子だったのと、この現場が好きだからです。最初の5年は上手くいかないことばかりでしたが、自分なりのやり方が見つかった頃から、仕事にのめりこめるようになりました。今は111人の利用者さんを担当し、靴のインソール(中敷き)を工夫する『足底板療法』を実践し、ありがたいことに、『膝や腰の痛みがなくなった』『すごく歩きやすい』などといった喜びのお声をたくさんいただきます」。 研究熱心な竹口さんは、目と耳から情報を入れながら覚えるタイプ。情報源はもっぱら医学的な根拠を伴って発信されているYouTubeだという。「自分なりの視点で患者さんを見ることによって、身体の状態は改善につながります。それが理学療法の面白いところです。とはいえ理学療法士になって、たかが10年。まだまだ見えていない部分が多いので、インプットとアウトプットの繰り返しです」。

竹口さんの真骨頂は、リハビリ・介護とエンターテインメントの融合だ。「おじいちゃん、おばあちゃんに喜んでもらいたい」と、通常のリハビリに加えて筆書き、DJ、ホワイトボード落語を実践している。「年末が近づくと、利用者のみなさんに『今年の漢字は何ですか?』とアンケートを取ります。孫が生まれたから『孫』、ずっと腰が痛かったから『腰』など答えはさまざまですが、それぞれの漢字を筆書きして、デイサービスに貼り出します。DJはターンテーブルとパソコンを使って、認知機能が衰えている利用者さんのテーブルで懐メロをかけながら、回想法という療法を実践しています。ターンテーブルだと、2曲を同時にかけられるので曲当てクイズができるんですよ。当たった瞬間、すごく喜んでくれます」。さらに登場人物のイラストが描かれたボードを見ながら、物語に耳を傾けることができるのがホワイトボード落語。 利用者が頭の中で物語を組み立てる負担を極力減らせるように、竹口さんが考えたという。独自のスタイルが話題になり、全国のデイサービスや老人ホームにもオンラインで配信している。

「生きがいを感じるのは、その人の願いが叶った時。例えば、自宅で過ごしたいから階段の上り下りができるように、膝の痛みを取って欲しいだとか、一人ひとりのニーズをきちんと理解した上で願いを叶えるお手伝いができた時は、リハビリに携わって良かった、またがんばって勉強しようと思います。これからも知識と技術を磨いて、分かりやすさと優しさを大切にしながら、目の前の人を支えていきたいです」。

竹口耕輔/ 理学療法士でありながら、自分の得意分野を生かして筆書きやDJの活動もやっている。高齢者施設に落語を届ける活動に取り組む中で、視覚情報を増やしてより落語を楽しんでもらうための「ホワイトボード落語」を考案。

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